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振袖の羽飾りが倒れる時 帯枕の据え方 [和服と茶道]

成人式が近づいてきました

数年前
成人式の着付け師として現場に立ちました

人ひとり、一生一度の晴れ舞台
失敗できません

緊張で夜も眠れぬ日が続きました

場所は某ホテルの大広間
前夜未明から支度が始まります
20人のヘアメイク&20人の着付け師の待つところに
200人のお嬢様がやってきました

着付けている時の記憶がほとんどありません

成人式の着付けが終わって
その日の午後から一日半眠りました

懐かしい思い出です

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お母様がお嬢様に振袖を着せるとき
何が一番困るだろうなと考えたら

帯枕です

振袖の着付けの難所です
羽飾りが重いので倒れやすいのです
倒れるととても哀しくなります

羽飾りのある帯結びはいろいろありますが
これはフリースタイルと呼ばれる
三重ゴム紐を使った帯結びの話です

正しい帯枕は帯の中に入っています
帯とゴム紐に押されるので
背中から離れることはありません
帯枕 正しい位置.png

帯枕をここに入れるためには
帯の結び目とゴム紐の根元の間に
15㎝くらいの「帯枕分」をとります
帯枕が帯の中に沈み込むときに必要な長さです

羽を大きく豪華に作ろうとすると
どうしてもここが短くなりがちなのですが
ここはしっかり取らなくてはいけません
帯枕 伸ばし分.png
これが短いと帯枕が浮いて帯から外れてしまいます
ゴム紐が帯枕を乗り越えて背中に直接触れるようになると
羽飾りの根元が帯枕と背中の間にもぐり込み
帯枕を押して羽飾りが倒れます

羽飾りを作るときに
この15㎝のゆとりを考えておくことは
忘れがちですが大事なポイントです

あとからこの分を引き出そうとすると
一の羽根が引かれて小さくなり全体のバランスが崩れます

帯枕の据え方のコツは以上です

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大変マニアックな情報です
はたしてこれを読んでピンと来る人はいるのでしょうか
いることを信じて今日の記事を終わります

タグ:和服
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