ネギの謎② 小ネギの種類 あさつき、わけぎ、のびる、小ネギを見分けるのはとても難しいので諦めた方がいいし、見分ける必要もないと思う [種まき日記]
突然ですが
新撰組のトレードマーク
浅葱色のだんだら羽織
いつ見てもカッコイイですよねえ♡
2004年NHK大河ドラマ 新撰組!
でも不思議に思いませんか
浅い葱ってなに?
なんでネギが水色なの?
はい、私の考えでは
畑のネギが水色だからです
でも店に並ぶ時は緑色です
なぜ?
初夏の頃
ネギは高温乾燥から自分を守るために
白い粉(ブルーム)をまといます
その粉が光を反射すると水色に見えます
葉の地色は普通に緑なので
角度によって色味が変わります
そして出荷する時
ブルームは擦れて落ちるので
私たちが買う時は
すっかり緑色に戻っています
わかりましたでしょうか
わかったところで固定します
はい
大丈夫でしょうか
あとで使いますから
そのとき思い出してくださいね
「アサギは青ネギ」です
~~~~~~~~~~~~~~~~
ではつぎ
なぜネギはブルームなどという凄い技が使えるのか
それは
めちゃめちゃ乾燥した土地で暮らしていたからです
~~~~~~~~~~~~~~~~
ネギの原種といわれる
アリウム・アルタイクム(Allium altaicum )
モンゴルの山岳地帯
アルタイ山脈に自生しています
すごい環境です
冬の最低気温は平均マイナス25℃
そして降雨無し
まるで月面みたいな環境を
球根だけになって耐えていると思われます
思われる、というのは
アルタイ山脈で冬越ししてる様子を探したんですが
ネット上では見つかりませんでした
そもそも
零下25度の極寒砂漠に
ネギ見に行く人がいるでしょうか
かつ
凍った地面を掘って球根の写真を撮って
ネットにあげたくなる動機を考えたとき
そんな奇跡は起こらないだろう
と思わざるをえません
~~~~~~~~~~~~~~~~
アルタイクムが栽培&改良されたのが
いわゆる「ネギ」です
学名Allium fistulosum(アリウム フィストロスム)
意味は(中空のアリウム)です
パミール高原を中国語で「葱嶺」と呼ぶので
どうやらこの辺で栽培が始まったようです
パミール高原にある国ウズベキスタン
首都タシケントの夏はカラッカラです
ネギの地上部はカサカサに枯れ
干しネギ状態で耐えていると思われます
思われる、というのは
ネット上で情報が見つからなかったからです
パミール高原の砂漠のような畑で
みすぼらしく枯れ果てているネギの葉に
人の目を引く魅力はあるのでしょうか
日本で売ってる干しネギ苗さえゴミに見えることを考えると
画像がみつからないのは当然かもしれません
~~~~~~~~~~~~~~~~
ということでネギは
アルタイ山脈の極寒砂漠と
パミール高原の灼熱砂漠と
両方の乾燥に耐える能力があります
そしてその前後のわずかなチャンス
青い葉を茂らせて成長するとき
致命的ではないけどやっぱり乾燥している環境に順応して
ブルームの技を身につけたのです
~~~~~~~~~~~~~~~~
<ここから日本の話>
さてその「中空のアリウム」が渡来する以前
日本に自生するアリウムはあったのでしょうか
ありました
あさつきです
ネギというよりはチャイブの仲間です
学名はAllium schoenoprasum var. foliosum(イネのような葉の多いアリウム)
海岸近くや土手、山野の草原に自生しています
種が出来ないわけではないんですが
栽培する時は
球根で増やすのが普通です
~~~~~~~~~~~~~~~~
ノビルは史前帰化植物
記録に残らないくらい遠い昔に渡来した植物です
学名はAllium macrostemon(アリウム・マクロステモン)
今は野草扱いですが
人里にしか生えていないので
持ち込まれた品種であることは間違いなさそうです
~~~~~~~~~~~~~~~~
わけぎは最近の遺伝子研究で
ネギとタマネギの雑種だということが判明しました
学名Allium × proliferum(Moench) Schrad. ex Willd.(アリウム・プロリフェルム・以下略)
あさつきと見分けがつきませんが
種ができないので
栽培すると簡単に見分けられます
増殖はむかごor球根です
こちらは野生ではなく
完全に栽培品種です
~~~~~~~~~~~~~~~~
というかんじで
私たちが「ネギ」と呼ぶのは
だいたいこの4種類です
・中空のアリウム
・イネのようなアリウム
・マクロスなアリウム
・プロリフェルムなアリウム
しかし
昔の人はこんな名前では呼んでいませんでした
(もちろん現在も)
~~~~~~~~~~~~~~~~
~~~~~~~~~~~~~~~~
ここまでは確かな話
以下、私の妄想
~~~~~~~~~~~~~~~~
~~~~~~~~~~~~~~~~
<呼び方>
太古から現代までの変遷の中で
どういう組み立てで名前が発生していったのか
私なりに推測してみました
~~~~~~~~~~~~~~~~
【原初】
日本にはイネのようなアリウムだけが自生していた
その性質から名前がふたつあった
・き=気=硫化アリルの臭気が立ちのぼる、食べると元気になる
・ひる=ヒリヒリする
~~~~~~~~~~~~~~~~
【史前】
マクロスなアリウムが渡来
よく似ているのでイネアリウムと区別不可能
というより
区別する必要がなかったので
同じ名前「き」or「ひる」と呼ばれた
渡来当初は畑で栽培されていたが
いつの間にか脱走して野生化し
「のびる」と呼ばれるようになった
~~~~~~~~~~~~~~~~
【時期不明】
プロリフェルムなアリウムも渡来
イネアリウムとそっくりなので
現代人でも見分けるのは困難
同じように「き」or「ひる」と呼ばれたに違いない
~~~~~~~~~~~~~~~~
【ついに】
中国から中空のアリウムが渡来
多様な栽培品種がやってきたので
「き」or「ひる」だけでは間に合わなくなり
名前に性質を添付して区別した
・深く植えて根を食べるキ=ネギ
・浅く植えて葉を食べるキ=アサギ
と呼ぶようになった
~~~~~~~~~~~~~~~~
ネギとアサギはわかったけど
じゃあ昔からの「き」と「ひる」はどう呼ぶの問題が発生し
・イネのようなアリウム=アサギに似たキ=あさつき
・マクロスなアリウム=野に逃げたヒル=のびる
・プロリフェルムなアリウム=分けて増やすキ=わけぎ
・中空のアリウムで深く植えかつ分けて増やすキ=わけねぎ
・中空のアリウムを小さいうちに収穫するキ=こねぎ
という名前になったはずなのに
古代から脈々と続く混乱は全く整理される気配なく
新潟:「ひろっこ=ヒルの子」はあさつきの球根の若取り
九州:ひともじ(きの別名)は、あさつき&のびる&わけぎ&こねぎ、どれでもOK
日本全域:野草摘みのときの「あさつき」と「のびる」の区別はご近所でもひとそれぞれ
日本全域:市場レベルでも、そのアリウムを何と呼ぶかは地方によって違う
日本全域:何とも分類しがたい郷土の伝統品種がある
などなど
混乱はいまだ続行中
というより
そもそも解決する必要がないので
この混乱をスッキリ解決しようとする人は
永遠に現れないでしょう
どっとはらい
~~~~~~~~~~~~~~~~
~~~~~~~~~~~~~~~~
<古い歌>
アリウムは多くの人に愛されました
古事記に応神天皇の歌があります
いざ子ども 野蒜(ノビル)摘みに 蒜摘みに わが行く道の 香ぐはし 花橘(ハナタチバナ)は 上枝は 鳥居枯らし 下枝は 人取り枯らし 三つ栗の 中つ枝の ほつもり 赤ら嬢子を いざささば 宜らしな
なんだか楽しそうです
♪みんなでノビルを摘みに行こうじゃないか
♪道の途中のハナタチバナの中の枝の花のようなお嬢さんをめとろうじゃないか
いまでいうと「ハーブ取り放題&お見合いバスツアー」みたいな感じなのでしょうか
ノビル摘みは陽気に盛り上がるイベントだったのかも知れません
~~~~~~~~~~~~~~~~
ヒルの歌はもうひとつあります
万葉集 長意吉麻呂(ながのおきまろ)
醤酢(ひしほす)に蒜搗(ひるつ)き合(あ)てて鯛願ふわれにな見えそ水葱(なぎ)の羹(あつもの)
わたし的な現代意訳ですが
♪タイのカルパッチョが食べたいぞ
♪〆の野菜スープは要らないぞ
♪まだまだ肴が食べたいぞ
♪まだまだ酒が飲みたいぞ
という宴会歌に聞こえます
いまでいうと
♪酒が酒が飲めるぞ、酒が飲めるぞ
あの感じが漂うのは気のせいでしょうか
~~~~~~~~~~~~~~~~
<郷土料理>
宮廷の女房言葉で
「き」は「ひともじ」
「にら」は「ふたもじ」
この呼び名が九州に残って
「ひともじぐるぐる」という料理名になりました
材料:あさつき、小ねぎ、わけぎ、ノビルのどれか
調理:長いままサッと湯がいて畳んで巻いたところに酢味噌を添える
「ひともじぐるぐる」は
天明2年(1782年)
熊本藩が財政難により倹約令を出し
それがきっかけで作られたそうです
確かに
道端の野草が
こんなよさげなおかずになったら
めちゃめちゃお得ですよね!
古事記みたいに
「いざ子供ノビル摘みに」
行きたくなります(笑)
そして
甘味噌酢(あまみそす)に蒜巻(ひるま)き合(あ)てて酒願ふ・・・
ひともじぐるぐるで熱燗をやりたいものです(^^♪
<参考サイト>
大河ドラマ 新選組!
https://www2.nhk.or.jp/archives/tv60bin/detail/index.cgi?das_id=D0009010512_00000
伝統色のいろは 青系のカテゴリ 浅葱色
https://irocore.com/asagi-iro/
タキイネット通販 野菜作りの上作テクニック ネギ
https://shop.takii.co.jp/selection/negi2010.html
トーホク ビギナーズマニュアル ネギ
https://www.tohokuseed.co.jp/beginners/negi.html
ネギのアリシンとフルクタン
https://jcmswordp.wordpress.com/2016/12/17/%E3%83%8D%E3%82%AE%E3%81%AE%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%81%A8%E3%83%95%E3%83%AB%E3%82%AF%E3%82%BF%E3%83%B3/
Allium altaicum - Google Search
https://www.pinterest.ca/pin/263108803206083092/?autologin=true
アルタイと東京の気温および降水量グラフ
https://www.travel-zentech.jp/world/kion/Mongolia/Altai_City.htm
Wikipedia ネギ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8D%E3%82%AE
ウズベキスタンの気候
https://www.arukikata.co.jp/weather/UZ/
Wikipedia アサツキ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%B5%E3%83%84%E3%82%AD
タキイネット通販 おすすめの品種
https://shop.takii.co.jp/simages/shop/selection/wakegi1308.html
Wikipedia ノビル
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8E%E3%83%93%E3%83%AB
Wikipedia ワケギ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AF%E3%82%B1%E3%82%AE
熊本の郷土料理「ひともじのぐるぐる」ってなに?
http://xn--igtm92kd4re5m3o0c.net/2017/02/17/post-600/
新撰組のトレードマーク
浅葱色のだんだら羽織
いつ見てもカッコイイですよねえ♡
2004年NHK大河ドラマ 新撰組!
でも不思議に思いませんか
浅い葱ってなに?
なんでネギが水色なの?
はい、私の考えでは
畑のネギが水色だからです
でも店に並ぶ時は緑色です
なぜ?
初夏の頃
ネギは高温乾燥から自分を守るために
白い粉(ブルーム)をまといます
その粉が光を反射すると水色に見えます
葉の地色は普通に緑なので
角度によって色味が変わります
そして出荷する時
ブルームは擦れて落ちるので
私たちが買う時は
すっかり緑色に戻っています
わかりましたでしょうか
わかったところで固定します
浅葱色=畑のネギの青葉に粉が吹いたときの色
浅葱=青い葉のネギ
アサギ=青ネギ
はい
大丈夫でしょうか
あとで使いますから
そのとき思い出してくださいね
「アサギは青ネギ」です
~~~~~~~~~~~~~~~~
ではつぎ
なぜネギはブルームなどという凄い技が使えるのか
それは
めちゃめちゃ乾燥した土地で暮らしていたからです
~~~~~~~~~~~~~~~~
ネギの原種といわれる
アリウム・アルタイクム(Allium altaicum )
モンゴルの山岳地帯
アルタイ山脈に自生しています
すごい環境です
冬の最低気温は平均マイナス25℃
そして降雨無し
まるで月面みたいな環境を
球根だけになって耐えていると思われます
思われる、というのは
アルタイ山脈で冬越ししてる様子を探したんですが
ネット上では見つかりませんでした
そもそも
零下25度の極寒砂漠に
ネギ見に行く人がいるでしょうか
かつ
凍った地面を掘って球根の写真を撮って
ネットにあげたくなる動機を考えたとき
そんな奇跡は起こらないだろう
と思わざるをえません
~~~~~~~~~~~~~~~~
アルタイクムが栽培&改良されたのが
いわゆる「ネギ」です
学名Allium fistulosum(アリウム フィストロスム)
意味は(中空のアリウム)です
パミール高原を中国語で「葱嶺」と呼ぶので
どうやらこの辺で栽培が始まったようです
パミール高原にある国ウズベキスタン
首都タシケントの夏はカラッカラです
ネギの地上部はカサカサに枯れ
干しネギ状態で耐えていると思われます
思われる、というのは
ネット上で情報が見つからなかったからです
パミール高原の砂漠のような畑で
みすぼらしく枯れ果てているネギの葉に
人の目を引く魅力はあるのでしょうか
日本で売ってる干しネギ苗さえゴミに見えることを考えると
画像がみつからないのは当然かもしれません
~~~~~~~~~~~~~~~~
ということでネギは
アルタイ山脈の極寒砂漠と
パミール高原の灼熱砂漠と
両方の乾燥に耐える能力があります
そしてその前後のわずかなチャンス
青い葉を茂らせて成長するとき
致命的ではないけどやっぱり乾燥している環境に順応して
ブルームの技を身につけたのです
~~~~~~~~~~~~~~~~
<ここから日本の話>
さてその「中空のアリウム」が渡来する以前
日本に自生するアリウムはあったのでしょうか
ありました
あさつきです
ネギというよりはチャイブの仲間です
学名はAllium schoenoprasum var. foliosum(イネのような葉の多いアリウム)
海岸近くや土手、山野の草原に自生しています
種が出来ないわけではないんですが
栽培する時は
球根で増やすのが普通です
~~~~~~~~~~~~~~~~
ノビルは史前帰化植物
記録に残らないくらい遠い昔に渡来した植物です
学名はAllium macrostemon(アリウム・マクロステモン)
今は野草扱いですが
人里にしか生えていないので
持ち込まれた品種であることは間違いなさそうです
~~~~~~~~~~~~~~~~
わけぎは最近の遺伝子研究で
ネギとタマネギの雑種だということが判明しました
学名Allium × proliferum(Moench) Schrad. ex Willd.(アリウム・プロリフェルム・以下略)
あさつきと見分けがつきませんが
種ができないので
栽培すると簡単に見分けられます
増殖はむかごor球根です
こちらは野生ではなく
完全に栽培品種です
~~~~~~~~~~~~~~~~
というかんじで
私たちが「ネギ」と呼ぶのは
だいたいこの4種類です
・中空のアリウム
・イネのようなアリウム
・マクロスなアリウム
・プロリフェルムなアリウム
しかし
昔の人はこんな名前では呼んでいませんでした
(もちろん現在も)
~~~~~~~~~~~~~~~~
~~~~~~~~~~~~~~~~
ここまでは確かな話
以下、私の妄想
~~~~~~~~~~~~~~~~
~~~~~~~~~~~~~~~~
<呼び方>
太古から現代までの変遷の中で
どういう組み立てで名前が発生していったのか
私なりに推測してみました
~~~~~~~~~~~~~~~~
【原初】
日本にはイネのようなアリウムだけが自生していた
その性質から名前がふたつあった
・き=気=硫化アリルの臭気が立ちのぼる、食べると元気になる
・ひる=ヒリヒリする
~~~~~~~~~~~~~~~~
【史前】
マクロスなアリウムが渡来
よく似ているのでイネアリウムと区別不可能
というより
区別する必要がなかったので
同じ名前「き」or「ひる」と呼ばれた
渡来当初は畑で栽培されていたが
いつの間にか脱走して野生化し
「のびる」と呼ばれるようになった
~~~~~~~~~~~~~~~~
【時期不明】
プロリフェルムなアリウムも渡来
イネアリウムとそっくりなので
現代人でも見分けるのは困難
同じように「き」or「ひる」と呼ばれたに違いない
~~~~~~~~~~~~~~~~
【ついに】
中国から中空のアリウムが渡来
多様な栽培品種がやってきたので
「き」or「ひる」だけでは間に合わなくなり
名前に性質を添付して区別した
・深く植えて根を食べるキ=ネギ
・浅く植えて葉を食べるキ=アサギ
と呼ぶようになった
~~~~~~~~~~~~~~~~
ネギとアサギはわかったけど
じゃあ昔からの「き」と「ひる」はどう呼ぶの問題が発生し
・イネのようなアリウム=アサギに似たキ=あさつき
・マクロスなアリウム=野に逃げたヒル=のびる
・プロリフェルムなアリウム=分けて増やすキ=わけぎ
・中空のアリウムで深く植えかつ分けて増やすキ=わけねぎ
・中空のアリウムを小さいうちに収穫するキ=こねぎ
という名前になったはずなのに
古代から脈々と続く混乱は全く整理される気配なく
新潟:「ひろっこ=ヒルの子」はあさつきの球根の若取り
九州:ひともじ(きの別名)は、あさつき&のびる&わけぎ&こねぎ、どれでもOK
日本全域:野草摘みのときの「あさつき」と「のびる」の区別はご近所でもひとそれぞれ
日本全域:市場レベルでも、そのアリウムを何と呼ぶかは地方によって違う
日本全域:何とも分類しがたい郷土の伝統品種がある
などなど
混乱はいまだ続行中
というより
そもそも解決する必要がないので
この混乱をスッキリ解決しようとする人は
永遠に現れないでしょう
どっとはらい
~~~~~~~~~~~~~~~~
~~~~~~~~~~~~~~~~
<古い歌>
アリウムは多くの人に愛されました
古事記に応神天皇の歌があります
いざ子ども 野蒜(ノビル)摘みに 蒜摘みに わが行く道の 香ぐはし 花橘(ハナタチバナ)は 上枝は 鳥居枯らし 下枝は 人取り枯らし 三つ栗の 中つ枝の ほつもり 赤ら嬢子を いざささば 宜らしな
なんだか楽しそうです
♪みんなでノビルを摘みに行こうじゃないか
♪道の途中のハナタチバナの中の枝の花のようなお嬢さんをめとろうじゃないか
いまでいうと「ハーブ取り放題&お見合いバスツアー」みたいな感じなのでしょうか
ノビル摘みは陽気に盛り上がるイベントだったのかも知れません
~~~~~~~~~~~~~~~~
ヒルの歌はもうひとつあります
万葉集 長意吉麻呂(ながのおきまろ)
醤酢(ひしほす)に蒜搗(ひるつ)き合(あ)てて鯛願ふわれにな見えそ水葱(なぎ)の羹(あつもの)
わたし的な現代意訳ですが
♪タイのカルパッチョが食べたいぞ
♪〆の野菜スープは要らないぞ
♪まだまだ肴が食べたいぞ
♪まだまだ酒が飲みたいぞ
という宴会歌に聞こえます
いまでいうと
♪酒が酒が飲めるぞ、酒が飲めるぞ
あの感じが漂うのは気のせいでしょうか
~~~~~~~~~~~~~~~~
<郷土料理>
宮廷の女房言葉で
「き」は「ひともじ」
「にら」は「ふたもじ」
この呼び名が九州に残って
「ひともじぐるぐる」という料理名になりました
材料:あさつき、小ねぎ、わけぎ、ノビルのどれか
調理:長いままサッと湯がいて畳んで巻いたところに酢味噌を添える
「ひともじぐるぐる」は
天明2年(1782年)
熊本藩が財政難により倹約令を出し
それがきっかけで作られたそうです
確かに
道端の野草が
こんなよさげなおかずになったら
めちゃめちゃお得ですよね!
古事記みたいに
「いざ子供ノビル摘みに」
行きたくなります(笑)
そして
甘味噌酢(あまみそす)に蒜巻(ひるま)き合(あ)てて酒願ふ・・・
ひともじぐるぐるで熱燗をやりたいものです(^^♪
<参考サイト>
大河ドラマ 新選組!
https://www2.nhk.or.jp/archives/tv60bin/detail/index.cgi?das_id=D0009010512_00000
伝統色のいろは 青系のカテゴリ 浅葱色
https://irocore.com/asagi-iro/
タキイネット通販 野菜作りの上作テクニック ネギ
https://shop.takii.co.jp/selection/negi2010.html
トーホク ビギナーズマニュアル ネギ
https://www.tohokuseed.co.jp/beginners/negi.html
ネギのアリシンとフルクタン
https://jcmswordp.wordpress.com/2016/12/17/%E3%83%8D%E3%82%AE%E3%81%AE%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%81%A8%E3%83%95%E3%83%AB%E3%82%AF%E3%82%BF%E3%83%B3/
Allium altaicum - Google Search
https://www.pinterest.ca/pin/263108803206083092/?autologin=true
アルタイと東京の気温および降水量グラフ
https://www.travel-zentech.jp/world/kion/Mongolia/Altai_City.htm
Wikipedia ネギ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8D%E3%82%AE
ウズベキスタンの気候
https://www.arukikata.co.jp/weather/UZ/
Wikipedia アサツキ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%B5%E3%83%84%E3%82%AD
タキイネット通販 おすすめの品種
https://shop.takii.co.jp/simages/shop/selection/wakegi1308.html
Wikipedia ノビル
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8E%E3%83%93%E3%83%AB
Wikipedia ワケギ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AF%E3%82%B1%E3%82%AE
熊本の郷土料理「ひともじのぐるぐる」ってなに?
http://xn--igtm92kd4re5m3o0c.net/2017/02/17/post-600/
おお!ネギの謎の続編ですね!
今回もすごい徹底した考察。2回読んじゃった(笑)
ブルーム、初めて知った。面白いです。
生物の不思議とたくましさを感じるなあ。
わたし的な現代意訳には笑いました。
でもきっとそう歌っているように感じる。
それがDNAに受け継がれて「♪酒が酒が飲めるぞ、酒が飲めるぞ」が誕生したとすら思えます。
by リュカ (2021-01-08 09:35)
新年おめでとうございます♪
すごいなぁ・・・ 葱の研究は、もはや学術の域に突入だわ〜(@@;)
えっっっと、深すぎて理解がついていかないのだけれど、
まぁ、私は、とにかく青ネギが食べたいので、ひともじぐるぐるは、絶対に好き♡
by のらん (2021-01-09 12:33)
リュカさん、あけましておめでとうございます
ややこしい話になってしまって申し訳ありません
同じ話の繰り返しのように見えますが
前半が確かな事実で
後半が私の妄想です(^_^;)
醤酢(ひしほす)に~
一般的な古典の解説では特に意味はないということらしいんですが
♪タイのカルパッチョが食べたいぞ
のんべいたちが合唱している様子と
台所の女たちが
「あれば出すけど無いものは出せない」
とぼやいてる様子が目に浮かびます(笑)
by Chobi.H.YAOITA (2021-01-09 13:19)
のらんさん、あけましておめでとうございます
>深すぎて理解がついていかない
その通りです!
理解できないんですこの話は!
全体を通して「まとめようとしたけど最終的にばらけてしまった」様子をご堪能いただければ幸甚です(^_^;)
青ネギは美味しいですよねえ
昔、人形町の居酒屋で青ネギのヌタを食べたとき
こんなおいしいネギが世の中にあるんだ!
と驚いたことがあります
なかなか売ってないんでそれきりになっていましたが
今年は窓辺で苗が生育中
春ごろから美味しいネギライフを謳歌する予定です♪
by Chobi.H.YAOITA (2021-01-09 13:41)
のびる、子供の頃よく摘んでいました
社宅のそばには急な崖となだらかな崖があって
そのなだらかなところに生えていたんです
子供たちはおままごとに使ったり
たくさん生えている時はお家にお土産にしたり
なんだかあれ以降、お店でものびるを見ない
のでいまとても懐かしく思い出しました!
by ryang (2021-01-11 21:38)
ryangさん、こんばんは
摘んでいたんですか!うらやましい!
母の実家が利根川のほとりで
子供の頃、土手のノビルを摘んで遊んだそうです
私はよもぎ摘みは体験あるんですが
ノビルはまだ・・・
暖かくなったら探しに行きたいと思います^^
by Chobi.H.YAOITA (2021-01-12 23:02)
とても素晴らしい論文?です。ここまで資料を読み漁ってご自身の意見をまとめているところに感服!
大したものです。最後までじっくり読ませていただきました。
by 暁烏 英(あけがらす ひで) (2021-02-21 22:57)
暁烏英さん、こんにちは
読んでいただいてありがとうございます(^^)
ある日気がついたのですが
ネギについて
特に小ネギについて何も知らなかったので調べてみました
そしたらますますわからなくなりました!(笑)
仕方なく
結論:美味しく頂ければ名前は気にしなくてよい
細ネギの酢味噌合えに熱燗つけてオチにしました(^_^;)
それより今時期
長ネギの白いところの甘味と旨味が絶好調
お味噌汁が美味しいですねえ
冬の長ネギ大好き♡
by Chobi.H.YAOITA (2021-02-22 11:59)
きのう土手のノビルをたくさん見つけたので送ろうかと思ったんだけど、
まだ玉が小さすぎました。写真だけ送ります。
by 暁烏 英(あけがらす ひで) (2021-02-23 11:38)
暁烏英さん、おはようございます
写真、届きました
なるほど
ノビルって群生するんですね
まだまだ寒い時期なのに
誰も世話していないのに青々として
これはかなり丈夫なアリウムなのですね(^◇^)
by Chobi.H.YAOITA (2021-02-24 06:39)